医療法人社団 新生会 南東北第二病院

床ずれ(褥瘡)について

床ずれ(褥瘡)について

注意したい床ずれ(褥瘡)

床ずれは身体の骨の突出部にある皮膚や皮下組織が持続的に圧迫され、血行障害を起こし、その部分の機能が停止し、栄養が不足して皮膚が崩れていく状態です。

通常、人は200㎎/hg以上の圧迫が2時間以上持続すると、その圧迫されている部位が壊死するとされています。圧力がそれ以上高ければより短時間で床ずれは発生します。

床ずれ(褥瘡)痛みの好発部位

圧倒的に多い部位は仙骨部で、次いで足・足関節部、次が大転子部、腸骨稜部と続く他、胸・腰椎部や下肢部などがあります。骨の突出部位は脂肪組織が少なく、必然的に褥瘡はこの突出部に好発します。
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床ずれ(褥瘡)の症状

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ステージ1 火傷した皮膚のように赤い斑点が出来る。「発赤」「紅斑」といい、初期症状として圧迫された部分の皮膚がうっすらと赤くなる。表皮が炎症を起こしている状態。

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ステージ2 広範に水ぶくれが出来たり、ただれたりする。傷の深さは表皮からその下の真皮の上部まで及んでいる。

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ステージ3 傷が悪化し、皮膚の深いところにまで及び、皮膚の下の皮下脂肪層まで到達する。体液(浸出液)がにじみ出し、細菌が傷に感染して周辺の組織を侵す。黄色い壊死組織を生じ、傷はだんだん深い潰瘍となる。

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ステージ4 傷は皮下脂肪にとどまらず、その下の筋肉、腱、酷い場合は骨まで進む。壊死組織や膿、浸出液が傷の周りに沢山付着し、更に周辺へと傷が拡大する。

床ずれ(褥瘡)の治療法・治療薬

○ステージ1の治療法

・ 炎症除去と皮膚局所の血行改善
・ 非ステロイド系抗炎症外用剤(炎症除去に)
・ ヘパリン類似物質を含む軟膏(皮膚局所の血行改善に)
・ 亜鉛華単軟膏、アズレン軟膏(表皮にびらんが生じた場合)

○ステージ2の治療法

・ 水疱はなるべく破らない
・ 洗浄(皮膚潰瘍になっている場合)
・ 壊死組織の除去(皮膚潰瘍内に壊死組織がある場合)
・ 消毒(皮膚潰瘍に感染がある場合)
・ 肉芽形成促進の外用剤
・ 豚皮、シリコンガーゼ、ポリウレタンフィルムなど(創面の保護に)

○ステージ3の治療法

・ ステージ2と同様の治療
・ ガーゼを詰める、皮膚切開術(損傷部位がポケット状になっている場合)
・ 皮弁による創閉鎖術

○ステージ4の治療法

・ ステージ3と同様の治療
・ 腐骨した部分の切除

床ずれ(褥瘡)の予防・治療の優先順位

①体圧分散(除圧、減圧)

一般に二時間毎の体位変換が望ましいといされていて、仰向け、横向き(左右)の三姿勢を
基本に患者さんの状態に応じてうつ伏せや座位を加える。 体圧分散寝具を使用する。床ず
れマット、マットレス、予防クッション、エアーマット防止用具(防止用品)など。

②栄養管理

蛋白質・脂肪・ビタミン・ミネラルなどをまんべんなく摂取。低蛋白血症に注意する。
・第1群:魚介、肉、大豆     ・第2群:牛乳、乳製品、小魚、海草
・第3群:緑黄色野菜       ・第4類:淡色野菜、果物
・第5類:穀類、芋類、砂糖    ・第6類:油脂
上記の六つの基礎食品群からまんべんなく組み合わせ、寝たきりでも1日1200キロカロ
リーは摂取するのが理想。

③局所療法、スキンケア

○皮膚を清潔に保ち、かさつかないように保湿クリームなどを塗って、皮膚を乾燥から守る。
○毎日の全身の清拭、週に1~2回の入浴。入浴後は創の周りを丁寧に消毒し、軟膏を貼付。
○カテーテル、吸水性の高いオムツなどを使って失禁のコントロール。
○日光浴をする。背中からお尻にかけて20~30分。
○かゆみがあるときは保湿性のあるローション、クリームなどをつける。

 

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