高齢者肺炎とは?
無症状に近い状態で急速に悪化します。
高齢者の肺炎の特徴は、無症状に近い例が少なくないこと、急速に悪化することや非定型的な症状を示しやすいことなどがあげられます。
原因
肺炎の原因は、上気道分泌液、唾液、食物の誤飲などがかなり占めています。
気道粘膜の委縮、横隔膜の脱力などのため、十分に痰や分泌物の排泄ができないこと、脳血管障害、パーキーソン病、老人痴呆などによる嚥下困難、または咽頭筋、喉頭筋の軽度の脱力などが誤飲を起こしやすい原因となること、肺自体にも、肺気腫、慢性気管支炎など肺炎を誘発しやすいことや、高齢者は全般的に免疫力が低下していることなど、肺炎を起こしやすい要因がそろっているといえます。
症状
1.最も明確になっているものは発熱ですが、高齢者では必ずしも高熱を出すわけではなく、肺炎を思わせない37℃代の発熱のときも少なくありません。ときにはほとんど無熱のときもあります。
患者は特別の苦痛を訴えず、ただ風邪を引いた感じ、食欲不振、全身倦怠感などが唯一の症状であることも経験されます。
胸痛や激しい咳、痰も多くありません。特に高齢者では意欲減退、食欲不振を訴えたくらいで急速に意識障害に落ちることもあります。
2.ふつうにみられる症状としては呼吸数の増加があります。高齢者では呼吸の数が多くなることは、他の訴えや症状のない場合でも肺炎の兆候といえます。
検査所見では若年者にみられる白血球増加は約半数に認められるだけで、聴診しても肺炎の所見に乏しい傾向があり、胸部X線写真で明らかな肺炎像のあらわれる以前に死亡することがあります。
予防策
A 一般的な注意事項 | 1手洗い・うがい・マスクの着用 2栄養管理 3禁煙 4合併症のコントロール |
B 誤嚥性肺炎 | 1口腔ケア 2食事の工夫、食事時、就寝時の姿勢の工夫 3薬物療法 |
C ワクチン | 1インフルエンザワクチン 2肺炎球菌ワクチン |