呼吸は、生命活動に必要な運動の一つです。
皆さんは、普段ご自身の呼吸の状態がどうなっているか意識をしたことがあるでしょうか?
私たちは、無意識のうちに呼吸をしています。呼吸は、自分で意識しなくても動くように、「自律神経」という生命維持に必要な神経によって調整されています。
ですが、自分の意志で筋肉を動かす神経を「体性神経」という神経も関係しています。
つまり、2つの神経に支配されているのが「呼吸」という運動です。
呼吸の状態は、その時の体調や心の状態の影響を受けるといわれています。
呼吸数は、通常一分間に12~20回ですが、イライラしているとき、不安なとき、焦っているときは交感神経が優位に働き、自然と呼吸が浅く、早くなります。逆に、リラックスをしている時には副交感神経が優位に働いているので、深く、ゆっくりとした呼吸になります。こうした呼吸の差は自律神経のバランスの差になって現れます。
緊張したとき、深呼吸をすると心が落ち着くのは、副交感神経を刺激し、血管が開き、末梢まで血流がよくなります。そして、血流がよくなると筋肉が弛緩するので、体はリラックスします。
ゆっくりとした深い呼吸をすることで、末梢の血流量増加につながります。
「ゆっくり深い呼吸」の方法は、一で吸って、二で吐くのがポイントです。
① ゆっくり一数える長さで息を吸います。
② 吸った長さの倍の時間をかけて吐いていきます。
呼吸法は難しいと思われがちですが、まずはご自身の呼吸の状態を知ることが大切です。
腹式?胸式? 鼻から?口から?など難しいことは考えずに行ってみましょう。
ゆっくり長く吐く、のがポイントです!!
自分の意志で呼吸を行うことで、逆に自律神経を制御していきます。
気温が下がり、体調を崩したり、感染症などにもかかりやすい季節になってきました。
体温を上げることは免疫力を高めることにもつながります。
まずは簡単にできる呼吸法で、全身の血行をよくして、体も心もぽかぽかにしていきましょう。
南東北第二病院リハビリテーション科