医療法人社団 新生会 南東北第二病院

高齢者の骨折

高齢者の骨折

転倒や転落にご注意を!

高齢者の転倒による骨折

2012021501転倒や転落した場合、「骨折」は一番多く起こっています。次いで、「打撲」、「切創・擦過創」、「捻挫」、「筋・靭帯損傷」などです。骨折の他にも、転倒によって一時的に歩きにくくなるような傷害が起こることが分かります。

高齢者の骨折の特徴

高齢者の骨折には、子供や若い人の骨折とは異なる特徴があり、高齢者では骨粗鬆症や骨量が減少している状態であるため、わずかな外力でも骨折を起こしやすい状態になっていることからも骨折の違いが予測されます。

特徴1 高齢者の骨折を起こしやすい場所がある。

若い人では、骨折しやすい部位について特定できませんが、高齢者では、手首、股関節部、脊椎、肩関節部などが代表的です。これは転倒によってわずかな外力で骨折を起こしやすい部位と一致しています。2012021502

特徴2 局部の症状が軽い。

若い人が骨折する場合には強い外力を受けて太くて強い筋肉が断列するため骨折の端と端が大きくずれる結果、局部の強い痛み、腫れ、皮下出血が生じ、骨折部位がはっきりわかるような症状を示します。

しかし高齢者では、わずかな外力で骨折を生じるため、また骨についている筋肉も細くて弱いため、骨折の端のズレが少ないため、結果として動かしてもそれほど痛くなく、骨折部位の症状が軽いのが高齢者の特徴です。

特徴3 骨折の治りが遅い。

高齢者の骨折では子供の骨折とは異なり自家矯正能力が乏しいため骨折が治るのに時間を要することが多いです。
また、血流の少ないところの骨折(足の付け根、上腕部の上部など)はさらに時間がかかる要因になります。

高齢者の骨折を予防するためには?

骨折を予防するために「転倒しないこと」「転倒しても折れないように骨を強くすること」が重要になってきます。2012021503

転倒しないためには、スリッパ・サンダルを履かないようにしましょう。

また、住まいの面ではトイレは洋式を使用し、トイレ・浴室・階段には手すりをつけ、床・廊下に物を置かない(特に電気器具コード類)、段差をなくす、寝室とトイレの間の廊下に夜間照明を設置するなどの工夫をしましょう。

さらに、普段から運動することも大切です。下肢の筋力をつけ、柔軟性を高め、バランス感覚を養うと転倒しにくくなります。

骨を強くするためには、カルシウムの多い食事を摂り、骨に刺激を与えるために運動もし、カルシウムの吸収を助けるために日光浴をするなどが重要です。

骨を強くする薬を使用することも効果的です。

整形外科で骨密度を測り、日ごろから自分の骨の強さを確認しておきましょう。

 

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